【社殿建物】

小鯖八幡宮は、本殿と拝殿が平成6年(1994年)7月21日に山口有形文化財(建造物)に指定されました。

 

○本殿

 建立時期は、明治28年(1895年)の取調所の中に「貞亨3年(1686年)9月改造」とあり、片流れ式の屋根が特徴の三間社流(さんげんしゃながれ)造りで、鉄板葺きであります。

 

○拝殿

 建立時期は、上層の背面中備(なかぞなえ)に打ち付けられている棟札から寛政3年(1791年)9月6日であることがわかります。楼門形式の入母屋造りで左右に切妻作りの翼廊があり、正面に時代相応の向唐破風(むこうからはふ)の向拝があります。

 楼門を拝殿に兼ねた造り方は山口地方の独特な形式であり、山口近郊には同形式のものが多く見られます。
いずれも江戸時代中期頃に建立された神社建築の特徴をよく表しているとのことです。なお、文化財に指定されたことにより、平成8年には、防火のための自動火災報知設備が設置されております。

   

 

 

【八幡宮境内】

 小鯖の大庄屋であった最後の鰐石十郎兵衛は、敬神の念篤く社殿を荘厳にし、社地を壮麗にして、民衆に敬神思想を鼓舞しようとして、先ず弘化年間に参道の両側に桜樹を植えて、その間に多数の灯篭を配置し、嘉永2年には境内に大鳥居(今の二の鳥居)を建てました。その後、放生池を含めた神苑が完成したらしく、池中にある「放生石」と刻んだ石碑には慶応3年の銘があります。放生池には「あらゆる生き物は殺したり食したりせず放生せよ」という慈悲の思想で、日本では魚を池に放す放生会が一般化し、寺社の社殿前庭等に放生池が造られたようです。

 形式は池泉観賞式(寺社の園池の中央部に橋を掛け渡して、神聖な水をたたえた池を左右に見ながら、人が歩けるように造られた庭)で太鼓橋を二基架けています。池泉には滝風の導水もあり、いかにも日本庭園的です。また放生池らしく魚溜りも設けられ、のびのびと泳ぐ魚が、参拝者の目をたのしませてくれます。

    

 

 

トップページへ

inserted by FC2 system